◎ハンドライフルの位置づけ
まず、あなたが片手で撃つ競技「ピストル射撃」を始めてみたいなぁ、と思ったとします。
でも、いきなりピストルを所持することはできないんです。
……(A)日本ライフル射撃協会に入会していること。(所属の地方ライフル射撃協会によっては、入会後一定期間(一年とか)が経過していること)
……(B)「ライフル射撃講習会」を受講済みであること
……(C)年に二回以上、試合に参加した実績があること
などなど(他にもいろいろとあります)、いろいろな決まりがあります。
しかも、その他に、個人の技量についても
……「任意の種目において初段以上の段位を有していること」
とあるんです。
では、どの「任意の種目」で初段を取得すると良いでしょうか?
「大口径ライフル」(ビックボアライフル/ラージボアライフル) ※
「小口径ライフル」(スモールボアライフル) ※
「エアーライフル」
などなど、色々な種目がありますよね。
でも、どれもピストルとは違って長くて両手持ちですよね。
もし上記のどれかで初段を取れるまでに技術を磨いたとすると、ピストルを所持したとたんに、いきなり片手で練習しなきゃなりませんよね。それまでの努力と時間がもったいないです。
それに、皮のコート・ズボン、射撃専用の靴・手袋などなど、ライフルを始めるために揃えた色々な装備が無駄になっちゃいますよね?
そこで、ハンドライフルの登場です。
今はまだ初心者だからピストルは持たせてもらえない。だけど将来はピストルをやりたいなー。
だから、両手を使うライフルじゃなくて、はじめから片手の競技がやりたいなー。
まさにそんな人のためにあるような銃なのです。
(※ 大口径・小口径ライフルは、エアーライフルからのステップアップ的な位置付けにありますので、エアーライフル等で一定の実績を積む必要があります。つまり、そもそも、いきなり所持できる銃ではない、ということです)
◎ハンドライフルってどんな銃?
名前のとおり、法律上は「ピストル」ではなく、「ライフル」です。
初段を持っていないので、ピストルはまだ持たせてもらえません。
でも、エアーライフルなら比較的簡単に持つことができます。
そこで、市販のエアーピストルに下記のような二つの「改造」を施して、見た目はピストルみたいだけれど、法律上はライフルだよ、だから所持しても良いでしょ?
そんな感じです。
このように、日本ではピストルが簡単に持てないために考え出された銃ですから、これは日本だけの銃です。よく「HR」と略します。
改造その一
弾が出てくるところの金属の筒(銃身=バレルといいます)を延長します。
改造その二
握るところ(グリップといいます)の後方に、ライフルの木製のストックのおしりの部分をくっつけます。
これで、ピストルの性能そのままに、「法律上これはライフルだよ」と言ってもらえるだけの長さを得ることができます。
ちなみに、私が今使っているハンドライフルの画像を貼っておきますね。
スイスのモリーニというメーカーの「CM162EI」というエアーピストルを改造して作りました。