ハンドライフルのマコちゃん

必要な装備1……必ず必要なもの


1.ハンドライフル

ハンドライフルは射撃場でレンタルしてはくれません。

また、すでに持っている人から貸してもらうこともできません。

たとえ家族であっても、貸してはもらえません。

完全に一人一銃なものですから、まずこれを手にしなければなりませんね。

ハンドライフルはエアピストルを改造して作りますから、エアピストルの価格プラス改造料金が合計金額となります。

エアピストル本体は、モデルによって違いますが、18万円から35万円(※)くらい。

改造料金は、エアピストル本体のメーカーによって違いますが、5万円前後ほどです。


※あまりにも幅がありすぎますので、2020年10月時点での、主だったメーカーと主力製品の価格を載せてみますね。

 モリーニ CM200EI 289,000〜315,000円 

 ステイヤー EVO10 229,000〜257,000円

 ワルサー LP500E 349,000円

 ファインベルクバウ P8X 249,000円

 パルディーニ K12 179,000円

 マッチガンズ MGH1 219,000円

……価格に「〜」とあるのは、銃砲店によって価格が違うためです。



2.弾

これも当然必要ですね。当然ながら銃砲店で購入します。メーカーが数社あって、主なメーカーは、RWS、H&N、JSB、チャンヤンの4つでしょうか。

ハンドライフルの場合、通常はエアピストル用として販売されている弾を購入することになります。

大きさは、基本的に「4.5mm弾」と言いますが、実際に購入する時には4.5mm/4.49mm/4.48mmの中から選ぶことになります(4.5mmしか扱っていないメーカーもあります)。

どれが良いのかは、好みの問題だと思います。最初は、ハンドライフルを購入する時に、違う種類を1缶ずつ何種類か買ってみてはどうでしょう。それが無くなってから、自分が良いと思う種類をまとめ買いすれば良いのではないかと思います。



3.ガンロッカー

おもちゃのエアーガン(正確には「エアーソフトガン」といいます。「エアーガン」と言った時点で実銃になってしまいますから)とは違って、ハンドライフルは銃刀法で管理されている実銃です。

これを家庭でしまっておく場合には、厳しい基準をクリアーしたロッカーにしまう必要があります。押入れとかに入れておくと銃刀法違反でつかまっちゃいますよ。それ以前に許可が出ませんが……。

厳しい基準というのは、

 天板・側板・扉等が1.0mm以上の鋼板であること。

 外部から見える蝶番が切断されても、扉が外れない構造であること。

 扉の閉鎖に使用する鍵は120種類以上存在していること。

などなど、細々といっぱいあるんです。

だから、これらをクリアーするものを自作するよりは、現実的には「ガンロッカー」というものを購入した方が良いと思います。

購入したら、ガンロッカーごと盗まれないように、ねじを使って壁に固定する必要があります。ご家族、あるいは大家さんの同意が必要かもしれませんね。

お値段ですが、何丁の銃が収納できるかによって値段が違ってきますが、一番小さな2丁用で39,000円ほどします(※)。けっこうな金額ですねー。でも仕方がないのです……。


※調べてみたら、最近は「ピストル用」というガンロッカーもあるようです。お値段は2020年8月時点で34,000円となっていました。



4.ガンケース

銃を持ち運ぶ時に入れておくカバンです。

裸で持ち歩くのはもちろん銃刀法違反ですが、中が透けて見えるものもだめです。さらに法律云々ではなく、持ち運ぶ際に中の銃が壊れないもの、と考えると、これもまた既製品を購入した方が良いと思いますよ。

ハンドライフルの場合、ソフトケースで1万円くらい。ハードケースで1万5000円前後だと思います。

下の写真は、私が使っているハードケースです。参考までに、どんなものを射場に持って行っているかを載せておきますね。




A 予備のエアーシリンダー……銃についている赤がカラになったら、青に付け替えます

B 弾缶……Eのマッチボックスがカラになったら、ここから弾を出します

    ……この上に輪ゴムが二・三本置いてあります

C イヤープロテクター……折りたたまれています

D フィールドスコープ

E マッチボックス

F 所持許可証……その下にライフル射手手帳も入っています

G 工具類……銃付属のもので、サイトやトリガの調整用工具などが入っています

H 目隠し板……両目で標的を見られる人は不要ですね

I 三脚……フィールドスコープ用です。コンパクトカメラ用の市販品です



5.ライフル射手手帳

試合に参加すると、この提出を求められます。

「いつ・何ていう試合に参加したか」を証明するはんこを主催者が押してくれるんですよ。

外側の黒いビニールのカバー込みで500円。中身だけだと300円くらいです。

昔は「必ず所持していなければならない」ではなかったのですが(とは言うものの、皆さん持っていましたが)、2010年3月に発表された競技運営に関する国内規程ルール6.4.10.2で、「競技会に参加する射手は…中略…射手手帳を持参しなければならない」となりました。




↑左は所持許可証。右がライフル射手手帳です。



6.ハンドポンプ  または エアタンク

購入したハンドライフルが圧縮空気式だった場合に限り必要なものです。

「圧縮空気式」というだけあって、ハンドライフルの中に(正確にはハンドライフル本体に取り付けたエアカートリッジの中に)圧縮した空気を充填する必要があります。

入れるためには、これもまた機械を購入しなければなりません。お金がかかりますねー。でも、「これが無ければ始められない」という初期投資は、これが最後です。機械の種類は2つあって、どちらかを選びます。

一つは、自分の力で空気を入れるハンドポンプ。自転車の空気入れと見た目は同じですが、とっても高い圧力で充填しなければいけないため、私のように大柄な(太っているとも言いますが)人は良いのですが、もっと小柄な女性だと、これで空気を入れるのはかなり大変です。ちなみに、私の子供が小学校六年生の時にやらせてみたら、体重が足りなくて、エアーを入れることができませんでした。

お値段は2020年8月時点で2万6,000円くらいです。




↑黄色い部分にエアーシリンダーをねじ込みます。

もう一つは、ダイビングをする時に背中に背負うアクアラングのタンクです。タンクに直接ハンドライフルのエアーシリンダーを取り付けることができないため、アクアラング用のバルブをハンドライフルのバルブに合うようにするためのバルブ変換器が必要となります。これが2万8000円くらいします。タンクの弁を開くと、あっという間に200気圧のエアーがチャージされます。(ハンドライフルのエアーシリンダーには目盛りが付いていて、200気圧で満タン、これ以上入れると危険!というマークが付いています)ずっとハンドポンプでチャージしていた私が、初めてタンクからのチャージをした時は感動しましたよ。とーっても楽です。



↑満タンの200気圧から赤になっています。


ただ、タンクの場合は、中身が空っぽになったら、ダイビングショップに持って行ってチャージしてもらう必要があります(一回あたり2000円くらいかしら?)。 また、何年かに一回の検査も必要です。

お値段は、タンクは気圧(250気圧とか200気圧とか)や容量(14リットルとか20リットルとか)によって違いますが、5万円くらいからです。

タンク本体はダイビングに使用するものと同じなのですが、これは銃砲店で買うよりもダイビングショップで購入した方が安いようです。ダイビングショップなんて行った事ないよ、とか、バルブ変換器が必要だったりとか、いろいろと不安もあるでしょうから、その場合は銃砲店で一緒に買っても良いでしょう。

「タンクなんか買っちゃって大丈夫かなぁ」という方のために、銃のエアーチャージのためにタンクを購入した体験記をご紹介いたします。タンク本体について、またダイビングタンクからエアーシリンダーにチャージするためのバルブ変換器のことについて詳しく書かれています。

私の所属する片手系射撃チームであるチーム・カナリアのみゅうたさんのブログです。

「エアタンク DIN/Kバルブつき買いました。」


また、ハンドライフルのエアーシリンダーは200気圧で満タンと書きましたが、この満タンまで入れるためには、タンクの気圧が200気圧ではダメなんです。それ以上(250気圧とか)のものが必要です。200気圧のタンクを使用した場合は、エアーシリンダーには170気圧前後しか入らないのです。

もちろん、これでも十分射撃はできます。当たらなくなるとか、弾の早さ(弾速(だんそく)といいます)が遅くなるなんてこともありません。1回のチャージで撃てる弾数が少なくなるだけなんですよ。でも、一回の試合分には十分ですし、1回の練習でも、よっぽどたくさん撃つ人でない限り大丈夫でしょう。それに、ハンドライフルを買った時に(ワルサーのハンドライフルでない限り)エアーシリンダーはもう一本付いていますから、2本とも170気圧くらいでチャージしておけば何があっても大丈夫です。

あっ、ワルサーの悪口ではないですよ。オプションでエアーシリンダーだけを単体で購入できますからね。ワルサー、あこがれです。「俺のワルサーが火を吹くぜ」……一度は言ってみたい。
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