ハンドライフルのマコちゃん

ハンドライフルを取得するには



もしも、あなたが18歳以上で、「ハンドライフルっておもしろそうだな。私も撃ってみたいな」そう思ったら、実際に取得に向けて動き出しましょう(少し前まではハンドライフルを貸してくれる射撃場もあったのですが、残念ながら今はもうありません)。


まず、ハンドライフルはプラスチック製のBB弾等ではなく、鉛の弾を撃ちます。そのため、おまわりさんを経由して各県公安委員会の許可をいただく必要があります。

さぁ、その手続は……。


1.警察署に所持許可申請をする前に、受講必須の講習会があります

その名は「猟銃等(りょうじゅうとう)講習会」、特に初めての受講するものを「初心者講習会」といいます。まずはこの受講の申し込みをする準備のためにおまわりさんの所に電話しましょう。なぜかといいますと、申請を受け付けてもらうためには、訪問時に担当の方がいらっしゃなければならないからなんです。「担当者がいませんので」と言われたら無駄足になります。「後で渡しておいてください」は通用しないのです。

あなたの近くにある(すぐそばにあっても、隣の県だったらダメですよ)「警察署」(交番よりも大きなところです)に電話をして、「初めて猟銃等講習会を受けたいのですが……」と言いましょう。「初めて」と言ったのは、経験者講習もあるからなんです。経験者講習は、一度初心者講習会に合格した人が、期限切れの直前に受ける二回目以降の講習会です。

自分の住んでいるところを管轄する警察署がどこなのかは、県警(あるいは道警・府警・警視庁)のホームページを見てみましょう。それぞれの警察署が管轄する住所一覧があると思います。



もし電話に出られた方がご存知であれば、その日以降の開催スケジュールや必要書類を教えてくれると思います。大抵の場合は「生活安全課(保安課の場合も)に回します」となるはずです。

生活安全課の方が出られたら「初めて銃の免許を取りたいのですが、まずは猟銃等初心者講習会を受けなければいけないと聞きました。開催日や必要な書類を教えていただけますか?」こんな感じで切り出しましょう。準備するものは、下記に書いたようなもののはずですが、県によって若干違いがあるようですから、最終的にはきちんと警察署に確認してくださいね。


イ.猟銃等講習受講申込書

……あらかじめ県警のホームページからダウンロードする(銃刀法第5条の3第2項に基づく猟銃等講習会の受講申込みをするための様式)か、生活安全課でももらえると思います。これを、同じものを2通。 銃刀法改正に伴い、1通でよくなりました。


ロ.写真

……6ヶ月以内に撮影した無帽、無背景、正面、上三分身のライカ判 (銃刀法改正に伴い、運転免許証と同じサイズ=3.0×2.4cmとなりました)。これが2枚。

ハ.手数料

……6,800円分くらい(変更されることがありますので、確認してくださいね)。これは現金ではなく、警察署内の他の部署で証紙を買うことになります。

ニ.印鑑


ホ.住民票


……これは不要のところもあるようです。


上記の書類については、写真のサイズもそうですし、2通なのか1通なのかもそうですし、電話予約をする時に、おまわりさんに聞いてくださいね。けっこうよ変更になりますし、なぜかその地方によって違ったりもします。たとえば、その管内でハンドライフルを初めて扱う場合などは、そのカタログやネットから出力した写真なんかを持ってこいって言われるみたいです。


電話でスケジュールと必要書類がわかったら、その場で「いつ書類を揃えて申請しにいくか」を予約してしまいましょう。講習会を受講するための申請書でしかないのですが、郵送受付が不可なんですよ。直接持っていかなければならないんです。

持っていく日は、必要書類の準備が終わるであろう日よりも後で、講習会申込受付締切日よりも前ですね。この予約をしておかないと、せっかく半日有給を使って申請しに行っても、担当者不在で無駄足になります。社会人には辛いのですが、受け付けてもらえるのが平日の昼間だけなんです。


必要書類を揃えて生活安全課に提出すると、猟銃等講習受講受付票がもらえます。さらに、講習会当日に使うテキストをくれるところもあるようです。ここでもらえなくても、当日講習会会場でもらえますから大丈夫ですよ。


もらった場合は、表紙を見て「初心者用」となっているか確認してくださいね。前述したように、この講習会は初心者講習と経験者講習があります。もし「経験者用」となっていたらその場で交換してもらいましょう。


この時点でテキストがもらえたらラッキーです。講習会当日までに、ひと通り読んで予習しておくことができますものね。


講習会は1〜2ヶ月に1回くらいは開催されていると思います。 ごめんなさい、後で調べたところ、地方によっては半年に一度という頻度の地域もあるようです。朝から午後までかかりますので、社会人の方は有給休暇を取る必要があります。


また、ここで警察署に行った時、講習会終了後に銃の所持許可申請をするために必要な書類について聞いておくと便利ですよ。必要だと思われるものは下記に書きますが、所属警察署によって違いがあるようですから、確認しておいた方が良いと思います。これは講習会終了後に電話で聞いても問題ありません。


講習会当日は、(もらっていれば、そのテキストと)猟銃等講習受講受付票、筆記用具を忘れずに持って行きましょうね。


後は、前日はよく寝ておいてください。講習会の最中に寝てしまったら大変ですよ。しかも講習会終了後に、その場で試験があります。落ちたら大変です。


合格発表は試験後、当日その場で行われます。試験に無事合格すれば、その場で「講習修了証明書」を交付してもらえます。有効期間は3年間。次回はこれが切れる前に、同じ猟銃等講習会(今度は経験者講習会)を受講しましょう。


さぁ、これで第一段階がやっと終わりました。



2.買う銃を決めましょう

講習会が終わったら生活安全課に銃の所持許可申請をするのですが、その前に買いたい銃を決めておかなければなりません。「銃の種類ってハンドライフルでしょう?」と思うかもしれませんね。でも、ちょっと違います。この場合は銃のメーカーと型番なんです。
例えば「ステイヤーのLP10E」とか、「モリーニのCM162EI」とかいう感じです。

銃砲店のホームページで見たり、もし回りに経験者がいらっしゃるなら聞いてみましょう。実際に銃砲店で見ても良いのですが、中古銃以外でハンドライフルを展示していることは少ないと思います。ハンドライフルはエアピストルを改造して作った物。要するに受注生産品だからです。


欲しい銃が決まったら、銃砲店で「譲渡等承諾書」を発行してもらいます。これは「銃砲店の持ち物である○○という銃をこの人に売ることにしましたよ」、という書類です。個人売買の場合には、売ってくれる人に、この譲渡等承諾書を書いてもらうことになります。



3.必要な書類をかき集めしょう

いろいろと必要な書類があるんです。なんか年々増えているような気もします。


イ.銃砲所持許可申請書のコピー

……講習会が終わった時にもらったものですね。オリジナルは手元に残しておきます。


ロ.譲渡等承諾書

……銃砲店でもらったやつです。


ハ.同居親族書

ニ.経歴書


……「ハ」と「ニ」 は、例えば銀座銃砲店さんのサイトや各都道府県警察署のサイトからダウンロードできます。警察署によっては2通ずつ必要な場合もありますよ。


ホ.戸籍抄本(本籍地の役所じゃないと取れませんよ)
……銃刀法改正に伴い、不要になりました。


ヘ.住民票の写し

……これらは区役所・市役所に取りにいきます。時間はかかりますが、郵送してもらうこともできる役所もあるようです。
……「ホ.戸籍抄本」が不要になったかわりに、住民票の写しは「家族全員のもの」でなければならなくなりました。


ト.身分証明書(役所によっては、違う名称の場合もあるようです)

……免許証とかパスポートでのことではないですよ。これも自分の本籍地の役所でなければ出してもらえません。郵送してくれるところもあるようです。おまわりさん曰く「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書」ということでした。役所の窓口で「破産者や禁治産者でないことを証明する身分証明書が必要なのですが」って言えば教えてくれるはずです。
要は、「お金に困って(銀行強盗なんかしませんよ)いませんよ」という証明でしょうか。


チ.診断書

……いろいろと銃所持に関する環境が厳しくなったため、たぶん精神科のお医者さんが書かれたものでなければいけなくなったはずです(全国がそうなのかはわかりません)。
これも銃刀法の改正で、精神保護指定医だけではなく、「過去に申請人の心身の状況について診断をしたことがある医師(かかりつけの医師、ただし歯科医師を除く)が作成した診断書でも可能となる。その際は、過去に診断を受けたことがあるという証明(初診日の記載された診察券、過去の領収書等)の提示をするものとする」となりました。

生活安全課で、普通の内科医さんとか外科医さんが書いてくれたもので良いのか、あるいは精神科のお医者さんのものなのか/もし精神科だとすると、警察署で指定している精神病院はあるのか/診断書の書式は決まったものがあるのか、について確認してくださいね。もし、この時点で日本ライフル射撃協会に加入することを決めているのであれば、所属する予定の支部の方に聞けば一発でわかりますね。他の会員さん達も更新の度に毎回書いてもらっている書類ですから。

この診断書の料金は、もちろんその病院にお支払いします。値段はその病院毎で違うようですから、その確認もありますし、また、書いてくれない精神病院もあるようですから、前もって病院に何件か電話してみた方が良いですね。その際は「銃の所持許可申請を警察にする予定なのですが、それ用の診断書を書いていただけますか?」という具合でしょうか。

もし指定された書式が無いようなら、これも銀座銃砲店さんのサイトに置いてありました。

また、もらった診断書の有効期間は三か月となっていて、もしこの期間内に他の銃の申請をするのであれば、繰り返し使用できるようです。


リ.写真

……6ヶ月以内に撮影した無帽、無背景、正面、上三分身のライカ判 (銃刀法改正に伴い、運転免許証と同じサイズ=3.0×2.4cmとなりました)2枚(1枚で良い場合もあるようです)


ヌ.印鑑


ル.誓約書


……これは申請しに行った生活安全課で渡されて、その場で書くことになります。
廃止になりました。そのかわりに、申請書に新設されている「欠格事由欄」にチェックすれば良い、ということになったそうです。


オ.申請料

……警察署で、「どこそこに行って、いくら分の証書を買ってきて」と言われます。例えば、署内の交通安全協会の窓口とかですね。

また、最近の銃刀法改正に伴い、二回目以降の申請では(諸条件はありますが)医師の診断書以外(同居親族書、身分証明書、住民票の写し、経歴書など)の提出が不要になるようです。この辺の必要書類は、しょっちゅう変更になるので、やはりその都度確認してくださいね。



4.書類が揃ったら、警察署に申請に行きましょう

上記の書類を生活安全課に届けにいきます。やっぱりこれも平日の昼間だけなんですよ。

(実際に足を運ぶ日を、事前に電話連絡しておきましょう。そうすれば無駄足になりません)

受け付けてもらえたら、あとは青い表紙の「猟銃等所持許可証」が出来上がるのを楽しみに待つだけです。



5.待ちに待った「所持許可証」が交付されました

自分の身に何も不安材料がなければ、申請した日から1〜2ヶ月で許可証が出来上がります。

「所持許可証ができましたから、取りに来てください」という電話連絡があったら、印鑑を持って警察署に取りにいくことになります。くどいようですが、これも平日の昼間だけです。

また、おまわりさんからの電話は必ず受けられるように、携帯電話や勤務先の連絡も教えておいた方が良いと思います。逆に、私の場合は、おまわりさんから携帯電話や勤務先の電話番号も聞かれました。



写真がへたです。ホントは紺色なんですよ。



6.さぁ、やっと自分の銃に触れます(まだ撃てないけれど)

発行された所持許可証を持って銃砲店等へ行きます。ここでやっと自分の銃にさわれます。その銃の登録番号が書かれている所持許可証を持っているわけですからね。

銃砲店の方が許可証を確認して、銃を渡してくれます。でも、この足で射撃場に行ってはいけませんよ。



7.やっと撃てます!

受け取った銃は、警察署で確認してもらう必要があります。

警察署からもらった所持許可証/銃砲店から買ってきた銃/この2つをセットにして、再び警察署に行きます。またまたこれも平日の昼間だけです。

銃砲店で銃を受け取ったその足で警察署に引き返しても良いですし、そうでない場合は、そこから2週間以内に行かなければなりません。

警察署で銃と許可証を確認してもらい、所持許可証の確認欄にハンコをもらいましょう。

銃が規程の長さになっているかとか、所持許可証の銃番号と実際の銃の番号が合っているかなどの確認をするわけですね。


これは実話(だそう)ですが、ある県で新規所持許可を受けた方が地元の警察署に確認に戻ったところ、所持許可証の銃番号と銃の銃番号が違っていたことがあるそうです。
これは、自分が所持許可を受けていない銃を運搬したことになりますから、銃刀法違反です。
間違った銃を渡した銃砲店の人が悪いような気がしますが、自分の所持許可証に書かれた銃であるかどうかを確認しないで銃にさわった人が一番悪いことになってしまうのです。これはもう悲劇ですね。



「種類=空気銃」の右に「銃番号」があります。


……これは余談でしたが、さぁ、これでやっとハンドライフルを撃つことができます。

一生懸命、でも楽しく、射撃ライフを始めましょう。
inserted by FC2 system