必要な装備2……あると便利なもの
1.標 的
やはりあった方が楽しいですよね。
たしかに、白的(要は、ただの白い紙です)を撃つことも、れっきとした練習方法の一つです。
(点数を気にせず、照準・呼吸・撃発のタイミングをつかむための練習に使います)
でも、銃を手にしたら、やっぱり標的に撃ってみたいですよね。
あっ!大事なことを忘れていました。そもそも標的や白的以外のもの(例えば空き缶とかコインとか)に撃っちゃダメですよ!銃刀法違反になって許可証お取り上げになってしまいます。
ちなみに、自分でプリンターから出力した厚紙に撃っちゃダメでしょうか?
私みたいな貧乏なシューターが抱く当然の疑問ですよね。
結論。ダメなんです。やってみましたから。
紙の種類が違うんですね。撃った跡がきれいに丸く抜けないんです。
撃った点数が何点か判断できないくらいの弾痕になることもあります。
印刷屋さんや、紙屋さんにお勤めの方がいらしたら、試してみてくださいね。
紙のプロである紙屋さんに調べてもらいましたが、国内産の紙の中には標的紙と同じものはありませんでした。
また、射場(しゃじょう=射撃場のことですね)によっては、試合に使用した標的を、練習用に「ご自由にどうぞ」と、置いてくれているところもあるみたいですよ。
もちろん、試合に使用したものですから、標的一枚につき、一発か二発の穴が開いていますが、それをふさいでしまえば、練習用ですもの、十分に使えます。
穴をふさぐ方法ですが、タック紙(裏の紙を剥がせばシールになる紙)を黒のサインペンで塗ったり全面に黒い印刷をしたものを小さく切って貼れば安上がりですし、文房具屋さんで買えるこんなシールを買っても良いですね。
●●●あとで治痕紙シールの写真を載せます●●●
2.イヤープロテクター、あるいは耳栓
散弾銃や大口径では必ず必要ですが、エアー競技では必ずしも必要ではないと思われがちです。
でも、耳の保護のために、使用することを強くおすすめいたします。
試合等で回りの雑音が気になる場合にも有効です。
たとえば埼玉県の朝霞射撃場では、よくヘリコプターが頭上を飛んでいますし、(残念ながら閉鎖されてしまいました。1964年の東京オリンピックで使用された歴史ある射場でした)後ろで次の試合の順番待ちをしている人の会話が気になる人もいるでしょう。
下の写真は、私が使用しているイヤープロテクターです。ぺルターというメーカーのもので、ネットショップですと3,500円〜4,500円くらい(銃砲店だと、もう少し高いです)です。
↑ これは折りたたむと小さくなるんですよ
こんな仰々しいものではなくても、百均で3セットくらい入っているものでも十分です!
私も試合ではイヤープロテクターを使いますが、普段の練習では荷物を減らすために耳栓を使うことが多いです。試合の時はイヤープロテクターを付けることで、精神的に「がんばるぞぉー!」という試合モードには入り易いような気がしています(本当は試合も練習も同じようにしないといけないはずなんですけれど)。
ちなみに、国際試合に出られるような上級射手のかたは耳栓タイプを使用される方が多いようですが、そういった方は流石に3つで100円の耳栓ではないようです。
近づいて見ないとわかりませんが、自分の耳の型に合わせてカスタムで作られたものだとのこと。
3.目隠し板、射撃用グラスフレーム
両目で照準を合わせることができない人は、照準に使わない方の目を隠す必要があります。
眼鏡を使っている人は、使わない目の方に写真のようなものをつけると便利ですよ。
クリップのように眼鏡に付けられます。
標的以外のところを見る時には、白い部分を跳ね上げれは、両目が使えるんですよ。
ある射撃の教科書には「使用しない目には付箋(ふせん)紙を貼ると良い」と書かれてあったくらいなので、目を隠すものは何でも良いのだと思います。
ただ、その大きさについては決まりがありますし、その決まりも変更されることがあります。試合の時に使う目隠し板に関しては、最新のルールブックをチェックする必要がありますね。
↑ 以前私が使っていたのはこんなタイプですが、この大きさのものはルール改正により使えなくなってしまいました。左右の幅を3cm以内にしなければならなくなったのです。
↓ 新しい規格を満たす製品は、こんな形になります。
ちなみに、色は黒や白や半透明などがあります。私は写真のように半透明のものを使用しています。黒はもちろん、白であっても標的方向からの光は目に全く届きません。ということは、見えている目と隠している目に入ってくる光の量がかなり違うということです。私個人の考えですが、これが目の疲れや狙いにくさに繋がるのではないかと思うのです。
また、眼鏡を使わない人なら、ヘッドバンドに取り付けられたタイプのものが便利だと思います。
また眼鏡ですが、日常生活で使っている眼鏡をそのまま射撃で使う人もいますし、射撃専用めがねを使う人もいます。
↓ こんな感じのものですね。
なぜ射撃眼鏡を使うかといいますと、銃を持つ手を自然な角度(体の正面に対して、右90度くらい)で上げて、標的にまっすぐ向けた時、顔が標的に対してまっすぐにできないことがあります。お鼻が標的中央に向いていない状態ですね。お鼻が標的中央よりも左側を向いているわけです(右利きの人の場合)。すると、眼鏡と標的は並行にはなりません。レンズの中央で標的を見ることもできません。たいていは右目のレンズの右端部分を使って、レンズに対して斜めに標的を見ることになります。
射撃眼鏡は、フレームに対してレンズ部分だけの角度を変えることができますから、これらのことが解決できます。常にレンズが標的に対して並行で、またレンズの中央を使って標的を見ることができるわけです。
↑ 私が使っているグラスフレームです。
フレームに対して、レンズと遮蔽板が(眼鏡をかけた状態で)右側を向いているのがわかりますでしょうか?
また、両目で狙えない場合は効き目ではない方の目に遮蔽板を使いますが、レンズで視力を矯正する必要の無い人でも、この遮蔽板のためだけに使うこともあります(射撃めがねにレンズが入っていない状態ですね)。ヘッドバンドと一緒になっている遮蔽板もあります(この方が安い)から、これよりもちょっと贅沢ですね。
レンズ部分にはオプションでカラーフィルターやアイリスシャッター(これについては、いつか書きます。ごめんなさい)を取り付けることができます。
また、これはオマケ的な機能ですが、普通の眼鏡と比べてほとんどずり落ちてきません。普通のめがねで試合に参加していた時は、試合中に何度も眼鏡をクイッと指で持ち上げて直していましたが、射撃眼鏡にしてからは一度やるかやらないかです。
鼻にあたる部分や耳にかける部分が自由に調整できるため、ピッタリ顔にフィットするんですよ。
↑鼻に乗っける逆V字型の部分が伸び縮みします。
↑耳にかけるツルも左右別々に長さ調節できます。
これはChampion(チャンピオン)というメーカーの「オリンピック」という製品です。お値段は、2020年10月時点で2万8,000円くらいです(左目のところの半透明な遮蔽板は付いてきます)。ただ、これはフレームだけの価格で、銃砲店でフレームを買った後、めがね屋さんでレンズを入れてもらう料金が別途必要になります。けっこうなお値段ですから、銃の購入と同時ではなくても良いと思います。ある程度経験してみて、これからも射撃を続けていこうと決心してからで良いのではないでしょうか?ちなみに、私は6〜7年間、普通のめがねで射撃をしていました。
ツルの長さや耳にかける部分の角度などは左右別々に設定できますし、鼻に載せる部分のパーツも伸び縮みします。もちろんレンズ部分や遮蔽板は天地左右自由に角度が変えられ、標的に対してレンズ面をまっすぐにすることができます。できます、というか、そのためにこれを使うのですけれども……。
写真のChampion以外にKnobloch(クノブロッホ)やMEC(メック)といったメーカーもあり、お安いもので1万9,000円から、最上位機種で4万7,000円という感じです。(前述したように、レンズを含まない、フレームだけの価格です)。
4.射撃用シューズ
普通の靴と、何が違うのでしょうか?
靴底が平らなんです。また、メーカーによっては靴紐も紐を通す穴ごとに締められたりして、足をがっちりと地面に固定してくれます。
だから、立って射撃姿勢をとった時の安定度が違う……らしいですよ。すみません、体験したことがないんです。
でも、うまい人は使っているんですよねー。
私も頑張って貯金中です。
5.マッチボックス
弾を整理して入れられる箱です。お値段1,5000円〜2,500円。
弾の丸缶から適当な数の弾を入れてジャラジャラと振ると、10個×10列=100発の弾が収まります。
練習でも試合でも、今何発撃ったのかがわかるといろいろと便利なんですよ。
練習の時は丸缶から直接使って、試合の時だけマッチボックスを使用する人もいますし、練習の時から使っている人もいますね。
使い方です。
A ↓
A 右と左にある出っ張り(赤丸印)を下に押し込みます。
B ↓
B 丸缶から弾を適当にザーっとと入れます。
C ↓
C 一つの角だけ縁が切れています(赤丸印)。
そこから、弾が落っこちないように手でふさいで、じゃらじゃらと振ります。
D ↓
D 全部の穴が弾で埋まったら、余った弾を切れている角の部分から丸缶に戻します。
E ↓
E 両サイドの黄色い出っ張りを戻して完成です。